■小さな中国のお針子 | BALZAC ET LA PETITE TAILLEUSE CHINOISETHE LITTLE CHINESE SEAMSTRESS 2002 仏 |
★★★ |
D原脚=ダイ・シージエ | ||
ジョウ・シュン リィウ・イェ チェン・コン | ||
◆1971年<文化大革命>の嵐が吹き荒れる中国。医者を親に持つ青年マーとルオは、反革命分子の子として、再教育の為に山奥の農村に行く事になる。山奥の村民達は、読み書きはおろか、文明からはかけ離れた生活を営んでおり、毎日、決まった時間に決まった事を黙々とする毎日である。マーとルオは、再教育の為、村民達と共に過酷な肉体労働に従事する事になる。そんなある日、彼らは、仕立て屋の老人と孫娘に出会う。たちまち2人は、”小さなお針子”と呼ばれるその美しい娘に心奪われることになる。彼らは、”お針子”に読み書きを教える為に同じく再教育で村に来ている青年メガネから禁書である西洋の本を盗み出し、毎夜、お針子に読んで聞かせるのであった。そんな日々の中で、彼女は、本に影響され、自我に目覚めていく事になる。。 | ||
◆1971年・・・いまからたった30年ほど前の事です。すごい世界ですね。私には、想像も出来ません。このころの中国は、毛沢東と四人組みが政権をとり、<文化大革命>の名の元、国内の知識人・文化人を迫害していた歴史がありますが、さぞや激動と混乱の時代だった事でしょう。平和な日本で暮らしている私には想像もできません。そんな時代がほんの少し前の隣国であったんです。しかし、この映画では、<文革>に対する強い批判を表現する事より、1冊の本がどれだけ人の生き方に影響を与えるかという事を言いたかったのではないか(仕立て屋の老人も言っている)と思います。絶賛するほどの作品ではないが、数々の素朴で美しいシーンが、心に残る秀作といって良い作品です |