■デッドマン・ウォーキング |
DEAD MAN WALKING 1995 米国 |
★★★ |
PD脚=ティム・ロビンス 原=シスター ヘレン・プレジャン | ||
スーザン・サランドン ショーン・ペン ロバート・プロスキー | ||
◆この作品は、実際に死刑囚の精神アドヴァイザーを務めたシスター ヘレンの本が原作です。 ルイジアナ州ニューオリンズにある”希望の家”で働くシスター・ヘレンは、10代の若いカップルをレイプ・惨殺した罪で服役 中の死刑囚マシューから文通をしたいという手紙をもらう。 ヘレンは、文通を重ね、やがてマシューと面会をするが、マシューの『自分は無実だ!』という言葉にしだいに突き動かされていく。。。 ヘレンは、特赦を得るために弁護士に協力を求めるが、嘆願は却下され、残す道は、最高裁に上告することだけだった。面会を重ねるうちに二人は”深い絆”で結ばれていくが、ヘレンは、マシューの家族・被害者の家族・刑務官との出会いの中で、神に仕える人として、また一人の人間として”深い悩み”を抱えていく ことになる・・・・。やがて、上告も棄却されマシューは、処刑されることになるのだった。 もうヘレンに出来る事は、マシューに犯した罪を認めさせ、反省してもらうことで凶悪な殺人者としてではなく人として神の元に旅立たせる事だけだった。そして反省をしたマシューの最後の望みは、自分への<憎しみのない死>と被害者の両親に対する<心の平和>であった。。。。 |
||
◆ずっと、見逃していましたが、先月、『ライフ・オブ・デビット・ゲイル』を見たのを機会に見ました。マシューの最後の言葉『人を殺すのは間違ってる。それが、おれでもあんたたちでも政府でも。』ホントに 印象的な言葉でした。考えさせられますね。 いや~重い作品です。ホンマにどっぷりきます。 この作品自体は、死刑に対して反対とも賛成とも強くは述べておらず、冷静な演出と淡々とした語り口で、私達に死刑制度の是非を問いかけてくる力作だと思います。刑の直前まで、反省するどころか、人種差別的な発言をするなどまったく反省の色を見せなかったマシューが、死の直前に<死の怖さ> <命の大切さ> <家族の愛>などを知る のだが、なんと皮肉でいたたまれない事だろうか。。。 最後の時になりマシューは、<愛>を知り、<自分のしたこと><犯した罪>を認め、被害者の両親に謝罪の心を持ったことで、世間から”モンスター”と呼ばれた 彼は、最後に人間として死へ旅たつことが出来たの だろう。スーザン・サランドンは、相変わらずの名演だし、ショーン・ペンも素晴らしい演技を披露してくれています。ラストの二人のガラス越しの演技・会話は、その重くシビアな内容とともに心に深く響きました。 |