■オール・アバウト・マイ・マザー |
TODO SOBRE MI MADRE 1998 スペイン |
★★★★ |
D脚=ペドロ・アルオモドバル P=アウグスティン・アルモドバル ♪=アルベルト・イグレシアス | ||
セシリア・ロス マリサ・パデレス ペネロペ・クルス アントニア・サン・ファン ロサ・マリ・アサルダ | ||
◆マヌエラは、女で1つで最愛の息子エステバンを育ててきた。素直で良い青年に育ってきているエステバンは、作家を目指しており、いつもノートを手に何か書き込んでいる。彼は、17歳の誕生日のお祝いに『父』の事を話して欲しいとせがんできた。。いままで、隠してきた彼の父の話をいよいよ話すときがきたのかと覚悟を決めた矢先、エステバンは、観劇の帰りにマヌエラの目の前で事故に遭い亡くなってしまう。大女優ウマ・ロッホのサインをもらおうと彼女の乗ったタクシーを追いかけ事故に遭ってしまったのだ。深い哀しみを背負ったマヌエラは、”息子の気持ち”を彼の父に知れせるための旅にでた・・・17年前にバルセロナから逃げるように乗った同じ列車に乗って、今度は、マドリードからバルセロナに彼の父親をさがすために。。。。 | ||
◆重い気分になりそうだったので、ちと敬遠してた作品でしたが、予想外に良い映画でした。数々の賞を受賞したのもうなずけました。 母親、もっというなら女性について描いている映画だと思うので、根本的に<子宮>のないわたくしSIONと女性の方とは、受け取り方・感じ方は、違うかもしれませんが、率直に言って良い作品だと思います。”何”とは、はっきり言えませんが、見終わった後、心地よいものが胸を打ちます。感動で号泣するいう作品ではないですが、芯のしっかりした心に滲みる作品でした。マヌエラの旅を<哀しみを癒すための旅>と解釈すると『?』と思うストーリーですが、この作品は、そこに主題が置かれているのではなく(そういう側面も確かにあるが)<息子の想いを伝えるための旅>と解釈すれば、すんなりと受け止めれると思います。登場人物たちは、それぞれ心のどこかに”傷”を抱えながらも強く生きている母・修道女・女優・女になった男などで、みな奇人ですが(笑)とても魅力的で優しさに満ち溢れています。『私は、不幸なの・哀しいの』という事を強く前面に押し出すような演出をしていないところにも好感が持てます。傷つきながらも強く明るく前を向いて歩き続ける<波乱に満ちた女の人生>を女の友情を通して温かく描いている胸を打つ素晴らしい作品です。 女優人達の演技も凄く良かったし、スペイン語の語感も”女性”の心の奥にある情熱を表現するには英語より良かったのではと思います。スペインは、情熱の国ですからね(これは、SIONの思い込みですが) やっぱり、男は女には勝てませんね^^この映画を見て改めてそう思いました。 |