●天切り松 闇がたり <第4巻> 昭和侠盗伝 |
浅田次郎 |
★★★★ |
義理と人情に厚い義賊”目細の安吉一家”の天切り松が、六尺四方にしか聞こえないという夜盗の声音「闇がたり」で今度もスカッと語ります。 |
||
天切り松シリーズの第4弾。相変わらず”目細の安吉一家”のみなさんの粋な活躍には心温かくなると同時に清々しさを感じます。読んでいるとその時代にタイムスリップしたかのように錯覚させてくれる浅田ワールドはさすがと言う感じです。古きよき時代、帝都に名をはせた義賊の活躍が読者を毎回、胸躍らせ、一気に読める作品です。出てくる男も女もカッコイイ!だらしのない自分には、難しいですが、こんな生き方にあこがれてしまいます。是非、みなさんにお勧めしたい作品です。尚、その際には、1巻【闇の花道】2巻【残侠】3巻【初湯千両】を順にお読みなると一層楽しめること間違いなしです。 |
■ファイナル・デッドコースター | FAINAL DESTINATION 3 2006 米国 | ★★ |
D脚製=ジェームズ・ウォン | ||
メアリー・エリザベス・ウィンステッド ライアン・メリマン クリスタル・ロウ シャーラン・シモンズ | ||
高校の卒業イベントで遊園地にやってきたウェンディは、何か不吉な予感を感じつつもクラスメート達と楽しい時間を過ごしていた。ところが、ジェットコースターの席についた時に恐ろしい事故の予知夢を見る。パニックになったウェンディは、ジェットコースターから降り、係員に取り押さえられるが、その直後、そのジェットコースターは、大事故を起こしてしまう。危うく事故から逃れたウェンディ達だったが、死の運命は、彼女達を見逃しはしなかった・・・・。 | ||
SIONの好きな作品の第3弾。この作品も前2作同様、主人公の予知夢によって一旦は、死の運命から逃れた人々が、結局は、その運命には、あがなう事できずに・・・・という話。ぶっちゃけ今作品は、期待はずれでした。前作より明らかにパワーダウンしております。今作では、死の運命から逃れた人々が写った写真には、死へのヒントが隠されているという点が新しいのですが、そのことによって見る側は、次の惨事への心の準備が出来てしまうし、被害者は、予想通りの死に方をする。これでは、このシリーズの”肝”である突然やってくる不意ふちのような死様は、見ることが出来ません。スピード感もいまいちだし、死様もなんだかとっても地味になっちゃってスカッと感が欠けています。何よりも残念なのは、2作目に感じたいい意味でのバカバカしさを感じることが出来ませんでした。この作品は、1作目のファイナル・デスティネーションを監督したジェームズ・ウォン監督が再びメガホンを取っておりますが、1から2へと内容&衝撃度で上手い繋ぎをみせたデビット・R・エリス監督の2作目をまったく無視しているかのような作りで、好きなシリーズだっただけに残念でなりません。次回4も多分作られると思いますが、再び、2のような衝撃的でスカッとスピード感のある作品に返り咲くことを期待せずにはいられません。 |