■キス☆キス☆バン☆バン |
KISS KISS(BANG BANG) 2002 英国 |
★★★★ |
D脚=スチュアート・サッグ ♪=ジョン・ダンクワース 美=イブ・スチュアート | ||
ステラン・スカルスガルド クリス・ペン ポール・ベタニー ジャクリーン・マッケンジー ピーター・ヴォーンマルティン・マカッチョン シェンナ・ギロリー | ||
◆長年組織で殺し屋として活躍していたフィリックスは、歳とともに腕に衰えを感じていた。全てを教え込んだ弟子のジミーも一人前のプロとして一人立ちできるまでに育ったことで、引退を決意する。組織の事務所で高らかに(笑)『引退』」を宣言したフィリックスだが、組織はそれを許さず、かつての仲間から命を狙われる羽目になる。職を失ったフィリックスは、さっそく職探し・・・知人のアンティークの密輸業者ビック・ボブから頼まれた仕事は、彼の一人息子の『子守』だった。ビッグ・ボブは、ババという一人息子を溺愛しており33歳になる今日まで、部屋の外に出さずに育てていたのだ。図体はでかいが、いつもキリンのぬいぐるみを抱えているまるで赤ん坊のようなババとの生活が始まるが・・・・ババのいたずらに振り回されるわ、恋人とも上手くいかないわ、あげく殺し屋たちから執拗に狙われるわで、さぁ、大変。。。。 | ||
◆リンクを貼らせて頂いている「ブライス」さんから紹介していただいた作品です。ありがとうございました。とっても気に入りました。 面白かったです。「ブライス」さんに感謝です。この作品のタイトルは、故イアン・フレミング氏へのオマージュです。いまさら、説明する必要もないですが、フレミング原作の『007』とミュージカル映画『キスキスバンバン』である。『007』のジェームス・ボンドは、「女性にはキス、男には銃」~でキスキスバンバン・発明家ポッツが作った夢の車の名前が、「キス・キス・バン・バン」である。 この映画を見て思った事~『男』ってやっぱ、バカで可愛いですね^^ほんま、そう思いました。 ハードボイルドタッチで描きながらウィットにとんだ笑いとホロリとくる切なさを持った心温まるとっても素敵な作品でした。音楽・美術・演出すべてが、上手く絡み合い絶妙な”味”を出しています。ジョン・ダンクワースの音楽は、時に切なくノスタルジーに、時におしゃれで気持ちのよい音を聞かせてくれます。フィルム・ノワールぽいフィリックスの部屋・『007』シリーズを思い起こさせる秘密基地のような組織の事務所(笑)・POPでモダンな感じのシェリーの姉の家などイメージを変えたインテリア・セットも良いです。全体的に柔らかい色調でつくられており、たくさんの心に残る素敵なシーンがありました。<まるで大切な宝物をしまう様に雪や雨をマッチ箱に入れる ババ><木の下で寝転がるダディ><花壇で花に囲まれて死ぬババ><生まれ変わり?の子供を海に連れて行くフィリックス>・・・・・まだまだたくさんの綺麗で素敵なシーンはありますが、本当に粋でおしゃれで切なくて心に滲みる秀作です。演技人も素晴らしいです。ステラン・スカルスガルドは、ハードボイルドな世界に生きる殺し屋をノスタルジックに演じ、クリス・ペンの刺激を受けるたびにキラキラと輝く瞳は、とても素敵だったし、ポール・ベタニーもカッコ良かった。茶目っ気のあるダディ役のピーター・ヴォーンも良い味をだしてました。また、ジャクリーン・マッケンジーはじめ、女優陣もみな美しくとても魅力的でした(^^♪ いまいち、メジャーな作品ではないようですが、本当に笑えて泣けて面白い巧く出来た作品です。ご覧になっておられない方は、是非是非、お勧めいたします。 |
■デッドマン・ウォーキング |
DEAD MAN WALKING 1995 米国 |
★★★ |
PD脚=ティム・ロビンス 原=シスター ヘレン・プレジャン | ||
スーザン・サランドン ショーン・ペン ロバート・プロスキー | ||
◆この作品は、実際に死刑囚の精神アドヴァイザーを務めたシスター ヘレンの本が原作です。 ルイジアナ州ニューオリンズにある”希望の家”で働くシスター・ヘレンは、10代の若いカップルをレイプ・惨殺した罪で服役 中の死刑囚マシューから文通をしたいという手紙をもらう。 ヘレンは、文通を重ね、やがてマシューと面会をするが、マシューの『自分は無実だ!』という言葉にしだいに突き動かされていく。。。 ヘレンは、特赦を得るために弁護士に協力を求めるが、嘆願は却下され、残す道は、最高裁に上告することだけだった。面会を重ねるうちに二人は”深い絆”で結ばれていくが、ヘレンは、マシューの家族・被害者の家族・刑務官との出会いの中で、神に仕える人として、また一人の人間として”深い悩み”を抱えていく ことになる・・・・。やがて、上告も棄却されマシューは、処刑されることになるのだった。 もうヘレンに出来る事は、マシューに犯した罪を認めさせ、反省してもらうことで凶悪な殺人者としてではなく人として神の元に旅立たせる事だけだった。そして反省をしたマシューの最後の望みは、自分への<憎しみのない死>と被害者の両親に対する<心の平和>であった。。。。 |
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◆ずっと、見逃していましたが、先月、『ライフ・オブ・デビット・ゲイル』を見たのを機会に見ました。マシューの最後の言葉『人を殺すのは間違ってる。それが、おれでもあんたたちでも政府でも。』ホントに 印象的な言葉でした。考えさせられますね。 いや~重い作品です。ホンマにどっぷりきます。 この作品自体は、死刑に対して反対とも賛成とも強くは述べておらず、冷静な演出と淡々とした語り口で、私達に死刑制度の是非を問いかけてくる力作だと思います。刑の直前まで、反省するどころか、人種差別的な発言をするなどまったく反省の色を見せなかったマシューが、死の直前に<死の怖さ> <命の大切さ> <家族の愛>などを知る のだが、なんと皮肉でいたたまれない事だろうか。。。 最後の時になりマシューは、<愛>を知り、<自分のしたこと><犯した罪>を認め、被害者の両親に謝罪の心を持ったことで、世間から”モンスター”と呼ばれた 彼は、最後に人間として死へ旅たつことが出来たの だろう。スーザン・サランドンは、相変わらずの名演だし、ショーン・ペンも素晴らしい演技を披露してくれています。ラストの二人のガラス越しの演技・会話は、その重くシビアな内容とともに心に深く響きました。 |